0点から96点!(1)

○○中学校で3年生を担当したとき、2年生の2クラスの授業も受け持つことになりました。

その学年、ゴチャゴチャしてて、おまけにひとつのクラスにはその学年の先生らに「厄介なヤツ」と烙印を押されてる子がいたんです。

そもそもが、そういう子が居るクラスの授業を他学年の教員に任せるいうんがなってない。

そういうことやから、その子を、その学年の厄介な生徒にしてしもぉた・・・ 。

で、挙げ句の果てに、他学年の教員に任せてしまう。

その子を放り出してしまったようなもんです。

その学年の先生らには、マジ、腹が立ちました。

「とことんかかわったら、どんな子とも繋がれるんじゃい!」

それを口で言うよりも、見せつけてやらな分からんやろなと思いつつ、1回目の授業。

教室に入って教卓の前に立つ。

「起立、礼」の号令。

その子は、一番後ろの席でふんぞり返ったまま。

他の者もダラダラと立ったような、挨拶したような・・・ そんな感じ。

全体がそんな感じってことは、まぁ、これまでの1年間、どの授業でもそうだったのだろうということは分かった。

「やり直しや!」

「起立」(委員長)

「全員立たんかい!」

「礼」(委員長)

「まだや!気をつけの号令入れんかい!」

「気をつけ」(委員長)

「礼」(委員長)

「やり直しや!」

「えっ?」(生徒全員)

「礼の号令で、腰を折って元の気をつけの姿勢に戻る!頭下げてそのまま座るな!で、着席の号令で座るんや」

もちろん、私も深々と腰を折ってから気をつけの姿勢に戻ります。

挨拶いうのは、させるとか、させられるものではなく、お互いに「する」ものですから。

先生の立場にある者が挨拶をすれば、生徒らもするもんなんです。

厄介者扱いされてた子も、渋々でしたが、最初の挨拶はOK。

これが、厄介者扱いされてた子が2学期に96点をとり、クラス平均も85点になった最初の一歩でした。